薬王堂気まぐれ通信使bT14 2009・3・1
Yakuoudo Capricious Communications Satellite
季節はあっという間に過ぎ去って3月に突入です。
今日の日曜日は広島県の東、帝釈峡地区のフクジュソウを追ってみました。
フクジュソウは一種類だけかと思っていましたが日本には現在4種類のフクジュソウがあると言われます。
「石川の植物」さんの記載を参考にさせてもらいながら比較してみました。
@ フクジュソウ 産地(北海道・本州・四国・九州)
A ミチノクフクジュソウ 産地(本州・九州)
B キタミフクジュソウ 産地(北海道)
C シコクフクジュソウ 産地(最近、九州で発見)
朝、8時半に家を出ましてJR芸備線を北上し三次まで出ます。そこから中国自動車道に入り庄原を通過して東城まで行きました。
東城インターを下りたのが10時半くらいだったでしょうか!
東城の町も久し振りでしたね。
東城の街
県北からの雪解け水が街中を通り過ぎます。
そこから旧道を通って上帝釈方面に走ります。
宇山地区を目指して山道を入りますと道は曲がりくねって細くなります。
結局、迷ってしまいました。
12年前、万年青年と来たはずだけどな〜?
12年というと約4000日前です。
忘れてしまいましたね〜!
そのうち、小川側の斜面に咲くフクジュソウを見つけます。
フクジュソウ
これで今日、車を飛ばして来た甲斐が有ったと写真を撮影していましたらバイクに乗った地元の人が私の前で停まりました。
おっさん:「あんた、なにしとるん?」
私:「やっと、フクジュソウを見つけて・・・」
おっさん:「それは野生ではないらしいの〜」
そういえば無人の家屋の前庭にあたる場所です。
私:「確か、12年前にこの辺でフクジュソウの群生を見たことがあるんで・・・」
おっちゃん:「それはうちじゃろう、この先じゃけ〜、見にきんしゃい!」
そうだったのか!
渉りに船!とはまさしくこの事です。
早速、おっちゃんの後を追うことにしました。
有りました!有りました!
見覚えのある家屋と裏庭の斜面一面にフクジュソウが咲いていました。
しかしここは人家の裏庭に当たりますので横切るのに気が引ける場所でもあります。
おっちゃんは遠方から訪れるフクジュソウの愛好家を快く受け入れているようです。
私:「見させてもらってええですか?」
おっちゃん:「ゆっくり、見んさい!」
早春の晴れ間にフクジュソウはパラボラ型の花弁を太陽に向かって思いっきり開いていました。
おっちゃんに聞くと、ここのフクジュソウはミチノクフクジュソウという種類で昔から自生する珍しいものだとのことです。
先ほど見たフクジュソウは所謂=フクジュソウ=福寿草で日本各所で見られるもの、植栽されたものだと言います。
なるほど・・・
それでフクジュソウとミチノクフクジュソウとはどこが違うのか比較してみました。
フクジュソウは株が密集して一株から数個の花が咲きます。それに花弁の数が多く20枚近く有るものも有ります。
花弁の形は細長く黄色味が強い感じ、先が尖っています。
葉は量が多く細い切れ込みがある。
フクジュソウ
ミチノクフクジュソウはそんなに密集した株立ちではありません。それでも3〜4株が一塊になって複数の花を咲かせていました。
花弁の形は丸みを帯びて先が丸い感じがします。花の色も薄い黄色で花弁は11〜15枚が普通のようです。
葉はフクジュソウに比べれば密度が少ないようです。
ミチノクフクジュソウ
その他、フクジュソウのガクは花弁に近い長さで、ミチノクフクジュソウは花弁の半分くらいのガクだということ!
フクジュソウは茎が中実だけど、ミチノクフクジュソウの茎は中空だということ!
そんな違いがあるそうです。
そういえば昨年4月、北海道の室蘭で見慣れないフクジュソウを撮影しています。
葉の形が違い、一株に一つの花が咲いている。
開花した花弁同士に隙間がある。
ガク片のようなものがあり花弁と同じか少し長く先が尖り数が多い!
キタミフクジュソウ
これはキタミフクジュソウだったのでしょう。
茎が中実で、葉の裏側に毛があるのが特徴だそうです。
過去のなんでもない記録が役立つことがあるんですね。
少し登った杉林にはオウレンが咲いていました。
オウレンの雄花
裏庭のある山をゆっくりと観察させてもらいました。
ヒキガエルが冬眠から覚めて道に出ています。
ネコヤナギ、アスナロ、ミツマタ、シャクナゲの花も蕾をつけていました。
日陰にセツブンソウもあります。
もう春がそこまで・・・
田畑の畦にもフクジュソウの芽立ちが見られます。
この一帯には各所に群落があるといいます。
それでも若者は離れて行くそうです。
上帝釈の永明寺を見て帰路につきました。
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